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こんにちは、自己実現ラボの坪井一真です。私は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)資格を持つプロのコーチとしてビジネスパーソンやアスリートのコーチングに従事しています。

また、1日10時間の瞑想を10日間、誰とも話さずに行うヴィパッサナー瞑想を5回も経験し、個人的な瞑想時間は累計で4000時間以上

これらの経験から得た知識や洞察を基に、自己実現ラボではセルフアップデートをメインテーマに、読者がその日から変化できる内容をお届けしています。

□国際コーチ連盟認定資格 Professional Certified Coach(PCC)
□米国CTI認定CPCC®(Certified Professional Co-Active Coach)

シードコミュニケーションズ代表取締役 坪井一真をフォローする

超訳ニーチェの言葉-あなたの人生を成功へと導く13の名言

ニーチェの言葉 自己成長のための行動と対策

今回の記事では「超訳ニーチェの言葉」からコーチとして心に響いた言葉をピックアップして紹介させて頂きますね。

超訳ニーチェの言葉にはコーチングやアドラー心理学、またマインドフルネスに通じる部分がいたる所に表れています。

これらの共通する部分は人生を充実させていくための智慧だということです。

ニーチェの言葉に触れると、彼はだれよりも人生について考え抜いていたんだなということが分かります。
「どのようにしたら充実した幸福な人生を送れるのか?」ということを真剣に見出してきたニーチェの言葉に今あらためて耳を傾けて見る事で得られるものは大きいでしょう。

そんなニーチェの言葉についてコーチとしての私なりの解釈をつけて紹介させて頂きますね。

1.自分自身を見つけたい人に

自分がどういうものであるか理解したい人は、次のような問いを自分に向け、真摯に答えてみればいい。

  • これまで自分が真実に愛したものは何であったか?
  • 自分の魂を高みに上げたものは何であったか?
  • 何が自分の心を満たし喜ばせたか?
  • これまでにどういうものに夢中になったか?

これらの問いに答えたとき、自分の本質が明らかになるだろう。それがあなた自身だ。

「ショーペンハウアー」

「超訳ニーチェの言葉」ではいくつもの問いに接する機会がありました。
コーチングではこのような哲学的ですぐには答えの出ない質問を設問と呼んでいます。

設問をじっくり、しっかり考え続けて行く中で私らは自分自身でも気付かなかった心の声に耳を傾けていくことができるに様になっていくのです。

そうすることで、見つけて行く答えには人生全体をダイナミックにして行くようなパワフルな答えがあるかと思えば、人生全体を俯瞰することで得られる答えもあったりと様々ですが、自分自身の血肉になるような素晴らしい答えが設問の中には眠っているのです。

あなたもじっくりと上記の設問を紙に書いて考えて見て下さい。
きっと新たな気付きが得られることでしょう。

2.いつも機嫌よく生きるコツ

不機嫌になる大きな理由の一つは、自分のなしたこと、自分の産んだことが人の役に立っていないと感じることだ。

だから、不機嫌な老人がいる。
一方で輝く青春の真っ只中にいる若い人たちが不機嫌なのは、自分が社会の中で生産的な存在になることがまだまだ難しいからでもある。

したがって、いつも機嫌よく生きて行くコツは、人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。
そのことで自分という存在の意味が実感され、これが純粋な喜びになる。

「人間的な、あまりに人間的な」

アドラー心理学には共同体感覚という概念があります。
共同体感覚とは人が幸せを感じるには自分が所属する共同体にいかに貢献できたかに左右されるそうです。

どのような人でもひとりでは生きていけませんよね。
よって、人は誰しもライフラインと呼べる共同体を持っています。
しかし、どの共同体にも貢献できないような関係性だと人は次第に不幸になっていくのだと言います。

ニーチェの言葉にもあるように、人は誰かに貢献することで自分という存在を認める事ができ喜びになって行くのです。

自分さえよければいいという考えしか持っていないような人は例えお金に恵まれていたとしても、心が幸福を感じることはないのです。

あなたは不幸なまま一生を過ごして行くなんてもったいないと思いませんか?

3.好奇心に振り回されない

身の周りや世間で起きているいろいろな事柄に、そのつどごとに首をつっこんでいると、結局は自分がからっぽになってしまう。
あるいは、自分の空虚さをなんとか埋め合わせるために、あらゆることに顔を向けている人もいるくらいだ。

好奇心は、自分の能力を発火させるためにはたいせつだが、世界のすべてを見聞できるほど人生は長く続かない。
若いときに自分が関わる方向を着実に見定め、それに専念していくほうが、ずっと賢く、自分を充実させていくことができる。

「漂泊者とその影」

エッセンシャル思考という本には、最小の時間で成果を最大にする方法が書かれています。
その本に書かれていたことがまさにニーチェの言葉にありました。

それは自分にとって重要なことに集中しそぎ落とせるものはすべてそぎ落として行くということです。
あれもこれもと手を広げていてはどれも中途半端に終わってしまい、結果として時間を無駄にし、成果も出ないなんてことに。。。

人生をより豊かに充実させたものにしていくには、私たちは針の穴をも通すくらいの集中力で舵を切って行く必要があるということですね。

4.恐怖心は自分の中から生まれる

この世の中に生れる悪の四分の三は、恐怖心から起きている。

恐怖心を持っているから、体験したことのある多くの事柄について、なおまだ苦しんでいるのだ。
それどころか、まだ体験していないことにすら怖れ苦しんでいる。

しかし、恐怖心の正体というのは、実は自分の今の心のありようなのだ。
もちろんそれは、自分でいかようにも変えることができる。自分自身の心なのだから。

「曙光」

ニーチェの言葉にもあるように恐怖心は人の心を惑わします。

私たち人間は過去の経験を悔い、将来の不安に身もだえします。
私たちは今を生きている様で実は過去や未来に縛られてしまっているんですね。ようは現実に生きていないということですね。

仏教ではこのような思考の囚われから解放されるためには意識を今この瞬間に合わせることが大切だと考えています。
そのための方法として瞑想を行い今この瞬間に意識を合わせる訓練をしているんですよね。

ニーチェも同様に過去や未来に思いをはせて苦しむよりも、今この瞬間の現実に焦点を合わせようぜって言ってるんですね。

そんなニーチェも晩年は精神を病み、恐怖心に心を乗っ取られるようになっていくのですから、運命とは皮肉なものてす。

5.友人を求める前に自分自身を愛する

できるだけ多くの友人を欲しがり、知り合っただけで友人と認め、いつも誰か仲間と一緒にいないと落ち着かないのは、自分が危険な状態になっているという証拠だ。

本当の自分を探すために、誰かを求める。
自分をもっと相手にしてほしいから、友人を求める。漠然とした安心を求めて誰かに頼る。
なぜ、そうなるのか。
孤独だからだ。なぜ、孤独なのか。
自分自身を愛することがうまくいってないからだ。
しかし、そういうインスタントな友人をいくら多く広く持ったとしても、孤独の傷は癒されず、自分を愛するようにはなれない。
ごまかしにすぎないからだ。

自分を本当に愛するためには、まず自分の力だけを使って何かに取り組まなけれはならない。
自分の足で高みを目指して歩かなければならない。
そこには苦痛がある。
しかしそれは、心の筋肉を鍛える苦痛なのだ。

「ツァラトゥストラはかく語りき」

「え?ニーチェってSNSのこと知ってるの?」って思うほど現代にもピンポイントな内容でした。

見ず知らずの他人とも気軽に繋がれるようになった現代は過去のどの時代よりも人に対して依存的になりやすい時代だと言えるでしょう。

ニーチェが現代を生きていたら、「おいおいまじか?」と絶句したかも知れませんね。

でも、解決策はニーチェの時代も今の時代も同じなんです。
それこそが自己受容。自分自身を本当の意味で愛することができるようになることが大切なんです。

アドラー心理学では

  • 自己受容
  • 他者信頼
  • 他者貢献

この3つが出来て人は初めて共同体感覚を得ることができると伝えています。
ようは、自分を愛せるようになって初めて人を愛せるようになっていくんだよってことですね。

みせかけの愛ではなく、本当の意味で自分自身を愛するには自己受容が出来るようになっていくことが先決なんです。

6.無限の豊かさは自分にある

同じものを相手にしていても、ある人は一つか二つくらいのことしか、そこから汲み出すことができない。
このことはふつう、能力の差だと思われている。

しかし実は人は、そのものから何かを汲み出しているのではなく、自分の中から汲み出しているのだ。
その物に触発されて、自分の中で応じるものを自分で見出しているのだ。

つまり、豊かな物を探すことではなく、自分を豊かにすること。
これこそが自分の能力を高める最高の方法であり、人生を豊かに生きていくことなのだ。

「悦ばしき知識」

このニーチェの言葉はコーチングにとても通ずる部分があるなと感じています。

モチベーションのコンコロールにおいて重要な動機付けには外発的動機付けと内発的動機付けがあります。

外発的動機付けとは報酬や賞罰といった自分の外部にあるもので意欲を触発させていくという考え方です。

一方、内発的動機付けとは自分の内側にある強い思いから意欲を触発させていくという考え方です。

コーチングでは内発的動機付けを大切にしています。
それは内発的動機付けは自分の心と結びつく無尽蔵の動力源だからです。
内発的動機付けをもとに人生を歩んでいくと、人生が豊かで色鮮やかなものになっていくからです。

あなたは自分の気持ちを大切に扱っていますか?

7.満足が贅沢

今では享楽者とか快楽主義者という誤解された意味でのみ使われている”エピキュリアン”という言葉だが、その語源となった古代ギリシアの哲学者エピキュロスは、生きていく上での快楽を追求した。

そしてたどりついた頂点が、満足という名の贅沢だった。
その贅沢に必要なものは、しかし多くはなかった。すなわち、小さな庭、そこに植わっている数本のイチジクの木。
少しばかりのチーズ、三人か四人の友達。

これだけで、彼は充分に贅沢に暮らすことができた。

「漂泊者とその影」

私は1日2時間の瞑想を日々日課にしているんですね。
瞑想を日課にし出してからというもの、私自身も贅沢の概念が変わってきました。

前までは物質的な豊かさばかりを追求していたのですが、それよりも今では精神的な豊かさのほうに価値を見出しています。

今この瞬間に焦点を合わせ、沸き上がって来る感情にレッテルをつけずに感じることで、今という時を生きている充実した気持ちになっていけるようになりました。

まさにマインドフルネスですね。
このニーチェの言葉からはマインドフルネスをニーチェ自身も取り入れていたんだろうなということが分かります。

マインドフルネスとは簡単にいうと、今に焦点を合わせることで、思考から解放され心を穏やかに過ごす方法です。
ニーチェの言葉からはちょくちょくマインドフルネス的な言葉が読み取れるので、彼の思想に影響を与えていたんだろうなと思います。

8.人を喜ばせると自分も喜べる

誰かを喜ばせることは、自分を喜びでいっぱいにする。

どんなに小さな事柄でも人を喜ばせることができると、私たちの両手も心も喜びでいっぱいになるのだ。

「曙光」

このニーチェの言葉からもマインドフルネスな思想が読み取れます。
ニーチェは今この瞬間に意識を向けることの大切さを語りつづけていたんだなと。

9.事実が見えていない

多くの人は、物そのものや状況そのものを見ていない。

その物にまつわる自分の思いや執着やこだわり、その状況に対する自分の感情や勝手な想像を見ているのだ。

つまり、自分を使って、物そのものや状況そのものを隠してしまっているのだ。

「曙光」

このニーチェの言葉もそう。

思考に惑わされて今を見る事が出来ないから、恐怖や不安で現実を覆い隠してしまっていることに気付けよ諸君って話ですよね。

そして、このニーチェの言葉の背後には今に焦点を合わせることが大切なんだという内容がつまっているなって所です。

10.土足で入る人とはつきあわない

 

親しくなれば相手の私事に立ち入ってもかまわないと考えているような種類の人間とは、決してつきあわないことだ。
そういう人は、家族のようなつきあいと称しながら、結局は相手を自分の支配下と影響下に置きたがっているだけなのだ。

友人関係の場合でも、互いを混同しないような気遣いと配慮はたいせつだ。そうしないと、友達でいることもできなくなる。

「漂泊者とその影」

ニーチェの言葉はアドラー心理学に通ずる所いっぱいだなーって思います。
アドラー心理学にも課題の分離という考え方があります。

人の課題をまるで自分の課題のように奪ってしまう人とは関わらない方がいいという考え方です。

このように自分の心にずかずかと入ってくる人とは距離を取ることが大切です。そうしないとあなたの心が踏みあらされてしまうからです。

他人があなたの心に土足で上がり込ませないようにするために心の扉を頑丈にして行く方法について下記の記事でまとめさせて頂きました。

11.理想や夢を捨てない

理想を捨てるな。自分の魂の中にいる英雄を捨てるな。

誰でも高みを目指している。理想や夢を持っている。
それが過去のことだったと、青春のころだったと、なつかしむようになってはいけない。
今でも自分を高くすることをあきらめてはならない。

いつのまにか理想や夢を捨ててしまったりすると、理想や夢を口にする他人や若者を嘲笑する心根を持つようになってしまう。
心がそねみや嫉妬だけに染まり、濁ってしまう。
向上する力や克己心もまた、一緒に捨てられてしまう。

よく生きるために、自分を侮辱しないためにも、理想や夢を決して捨ててはならない。

「ツァラトゥストラはかく語りき」

コーチングで最も大切にしている部分をニーチェは伝えてくれています。
理想や夢をすてて、現状維持するためだけに口からクソを垂れ流すようになっては人間は負のエネルギーで即座に満たされてしまいます。

負のエネルギーで満たされる人生には希望も情熱も充実感もありません。
ただムダに一歩一歩死に向かって歩んで行くだけです。

志をしっかりと持って人生をすごすことの大切さがこの言葉にはあります。
志を持つと人生は彩り豊かなものになって行き、自身の心から尽きることなないエネルギーを引き出してくることができるのです。

下記の記事では理想や夢に向かっていけるモチベーションのコントロール方法について書かせて頂きました。

12.自分の中にある高い自己

高い自己に、ふと出会う日がある。いつもの自分ではなく、もっと澄み切った高級な自分自身が今ここにいるのだということに、恩寵のように気付く瞬間がある。

その瞬間を、大切にするように。

「人間的な、あまりに人間的な」

まさにマインドフルネス

13.絶えず進んでいく

「どこから来たか」ではなく、「どこへ行くか」が最も重要で価値あることだ。栄誉は、その点から与えられる。

どんな将来を目指しているのか。今を超えて、どこまで高くへ行こうとするのか。どの道を切り拓き、何を創造していこうとするのか。

過去にしがみついたり、下にいる人間と見比べて自分をほめたりするな。
夢を楽しそうに語るだけで何もしなかったり、そこそこの現状に満足してとどまったりするな。

絶えず進め。より遠くへ。より高みを目指せ。

「ツァラトゥストラはかく語りき」

なんかこう心に響く言葉だなと思い最後に取り上げました。

吉田松陰も自分の心が叫ぶなら迷わず進むべきだっていってますしね。
自分の心の声に忠実に従う事が充実した人生を送る秘訣なんでしょうね。

私は未来を見据えつつ、今を真剣に生きていこうと思います。
そういう熱意をニーチェの言葉は持たせてくれるんですよね。すばらしい言葉は時代を超えても響いてきますね。

まとめ

いかがでしたか?

私はニーチェをイメージから入った人なので、本を読んでからニーチェの本質を知りました。

なので最初のイメージは最悪でしたよ。

半狂乱の晩年や生涯童貞っていうのがあたまにこびりついてて、クレイジーな人なんだろうなって印象しかなかったですもん(笑)

でも、いまニーチェの言葉に耳を傾けると、当時のニーチェは誰よりも今を生きることの大切さをといていたんだなと。
充実した人生を歩むために考え抜いていたんだなという事がひしひしと伝わってきます。

人生をだれよりも一生懸命に考えぬいたニーチェから学ぶことは多いなとこの年になってつくづく感じました。

【追記】超訳ニーチェの言葉-あなたの人生を成功へと導く13の名言

今回の記事ではニーチェの言葉から人生を楽に生きるヒントを見出していこうと思います。

「超訳ニーチェの言葉」からピックアップした引用を取り出し、コーチとしての視点から解説を加えていこうと考えております。

面白いことに哲学科のニーチェの思想と、心理学者のアドラーの思想がとても共通項に満ち溢れていることです。

アドラーとはコーチングの源流であるアドラー心理学を生み出した心理学者です。
詳しくは【アドラー心理学入門】人を必ず成功に導く21世紀の劇薬アドラー心理学とは?をご覧ください。

コーチとしてニーチェに興味を持ちましたので、今後はニーチェについても深く掘り下げていければと思います。

1.はじめの一歩は自分への尊敬から

自分はたいしたことがない人間だなんて思ってはならない。
それは、自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。

そうではなく、最初に自分を尊敬することから始めよう。
まだ何もしていない自分を、まだ実績のない自分を、人間として尊敬するんだ。

自分を尊敬すれば、悪い事なんてできなくなる。
人間として軽蔑されるような行為をしなくなるものだ。

そういうふうに生き方が変わって、理想に近い自分、ほかの人も見習いたくなるような人間になっていくことがである。

それは自分の可能性を大きく開拓し、それをなしとげるにふさわしい力を与えることになる。
自分の人生をまっとうさせるために、まずは自分を尊敬しよう。

「力への意思」

コーチはクライアントに対していつでもこのような認識を持っています。
目の前にいるクライアントは無限の可能性を秘めている人生の主人公なんだと。
このような認識をもっているため、クライアントに対して絶対の信頼を置くことが出来るのです。

クライアントも絶対の信頼を置かれることで、自分の能力には限界がないのだと認識し、自分で定めていた限界値を超える働きかけが出来るのです。

当然、自分自身に対して尊敬の念を持てば同様に自分の殻を破ることが出来ます。

自分自身を尊敬することは一害なくて百利ありといったところでしょうか。

2.自分の評判など気にするな

誰だって、他人から自分がどう思われているか知りたいものだ。

良く想われていた医師、少しは立派だと思われたいものだし、大切な人間の部類に入れてほしいものだ。
だからといって、自分への評価を気にするばかりに、聞き耳を立てるのはよくない。

なぜなら、人間というのは間違った評価をされるのが普通のことだからだ。

自分が思うように、自分が望むように評価してくれることなんかほとんどない。そういうのとは全然違う評価をされてるのが全く普通だからだ。

だから、腹をたてないためには、自分の評判や評価など気にしてはいけない。他人がどう思っているかなんてことに関心を向けては絶対にいけない。

そうでないと、本当は嫌われているのに、部長だの社長だの先生だのと呼ばれることに一種の快感や安心を覚えるような人間になってしまう。

「人間的な、あまりに人間的な」

アドラー心理学では私たちは他者からの期待を満たすために生きているのではないと考えています。
少し厳しい表現に聞こえるかもしれませんね。

でも、他者の期待に応え続ける人生を創造してみて下さい。
それは自分の人生を投げ出して、他者の人生を生きることになってしまいませんか?

アドラー心理学では他者もまた自分の期待を満たすために生きているのではないと捉えています。

人の評価を気にしたり、人が期待通りに動いてくれないことで最も精神的ダメージを受けるのは自分自身です。

他者の期待を満たすことや、自分の期待を満たすために他者を操ろうという意識を捨て去ってしまえば、人生はとても軽くなっていきます。

3.1日の終わりに反省しない

仕事を終えて、じっくりと反省する。
一日が終わって、その一日を振り返って反省する。
すると、自分や他人のあらが目について、ついにはウツになる。

自分のだめさにも怒りを感じ、あいつは憎たらしいとおもったりする。
たいていは、不快で暗い結果にたどりつく。

なぜかというと、冷静に反省したりしたからなどでは決してない。
単に疲れているからだ。疲れ切った時にする反省など、すべてウツへの落とし穴でしかない。

疲れているときは反省をしたり、振り返ったり、ましてや日記など書くべきではない。

活発に活動しているとき、何かに夢中になって打ち込んでいるとき、楽しんでいるとき、反省したり、振り返って考えたりはしない。

だから、自分をだめだと思ったり人に対して憎しみを覚えたりしたときは、疲れている証拠だ。
そういうときはさっさと自分を休ませなければいけない。

「曙光」

反省とはフロイト的な前時代的発想の原因論に固執した考え方です。
原因論とはものごとの原因を追究するという考え方です。

昔であれば問題の原因を1つか2つ見つけて解決出来ていたのかもしれません。
しかし、現代社会に暮らす私たちにとっての問題とは様々な要因が絡み合って出来ていることばかりです。

すべての原因を見つけてその原因をひとつひとつ潰していくなどということは、私たちの命が有限である限りやり続けることは難しいでしょう。

また、原因論的アプローチでは原因を振り返るだけで気持ちが暗くふさぎ込み、生きる気力すらも失われていくという特徴があります。

コーチングの基本的な考え方では、原因論的アプローチで生み出すものは何もないと認識しています。
だからこそ、ニーチェの言葉同様反省は無意味だと考えているのです。

反省からは何一つ得られることはありません。
気持ちを暗くしてしまうだけです。
反省なんてしないと開き直っているほうがはるかに心にも身体にも衛生的であると言えます。

4.疲れたらたっぷり眠れ

自己嫌悪におちいったとき、何もかも面倒で嫌になったとき、何をしてもくたびれて仕方ないとき、元気を取り戻すためには何をすべきだろう。

ギャンブル?宗教?流行のリラックス療法?ビタミン剤?旅行?飲酒?

そんなことよりも、食事をして休んでからたっぷりと眠るのが一番だ。
しかも、いつもよりずっと多くだ。

目覚めたとき、新しい力が漲る別の自分になっているだろう。

「漂泊者とその影」

このブログでも睡眠の大切さは結構伝えています。

例えば会社の人間関係のストレスから劇的に解放される4つの方法、自己受容力をアップする2つのやり方では昼寝をすることや、十分な睡眠をとることがストレス解消には最適だということを書いています。
適度な睡眠こそ最高のリラクゼーション方法だと言えるでしょう。

疲れている時はゆったりと眠ってストレスや疲労を取り除いてみることが大切です。

5.いつも機嫌よく生きるコツ

不機嫌になる大きな理湯の一つは、自分のなしたこと、自分の産んだことが人の役に立っていないと感じることだ。

だから、不機嫌な老人がいる。
一方で輝く青春の真っ只中にいる若い人たちが不機嫌なのは、自分が社会の中で生産的な存在になることがまだなかなか難しいからでもある。

したがって、いつも機嫌よく生きていくコツは、人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。
そのことで自分という存在の意味が実感され、これが純粋な歓びになる。

「人間的な、あまりに人間的な」

アドラー心理学でいうところの共同体感覚です。

共同体感覚について具体的には【アドラー心理学入門】人を必ず成功に導く21世紀の劇薬アドラー心理学とは?Ⅰ.共同体感覚をご覧ください。

アドラー心理学では

「人は共同体の中で自分の存在価値を感じ続けるために生きている。」

と考えています。

また、アドラー心理学では「人間の悩みはすべて人間関係にある。」とも言っています。

この相反する考え方を持ちながらも幸福に生きていくには共同体感覚を持つことが大切だとアドラー心理学では考えました。

共同体感覚とは、他者を信頼し、他者に貢献し、自分を受け入れることです。社会の一員として他者に尽くしながらも、且つ自己受容をすることで、心の平穏が得られるのだとアドラー心理学では伝えています。

6.「~のために」行うことをやめる

どれほど良いことに見えても、「~のために」行うことは、貧しく貪欲なことだ。

誰々のためにであろうとも、何々のためにであろうとも、それが失敗したと思える時には相手、もしくは事情や何かのせいにする心が生まれるし、うまくいったと思えるときには自分の手柄だとする慢心が生まれるからだ。

つまり、本当は自分のためにだけ行っているのだ。

けれど、純粋に能動的な愛から行われるときには、「~のために」という言葉も考えも出てくることはない。

「ツァラトゥストラはかく語りき」

「~のために」とは自らを犠牲としてしまう言葉です。
「~のために」行うということを掲げた瞬間にそれは自分のレールではなく、他者や社会のレールに乗ってしまったことを指します。

ニーチェの言葉にある通り、人が能動的に行うことに「~のために」はありません。

例えば、コーチングでも「社会のために」成し遂げたいことがあるという事が話として出てきたら、深く掘り下げていきます。

そうすると、実際は世の中を変えていくことで人々を笑顔にする手助けをしたいという気持ちが表出してきたりします。

こうなると人々の笑顔にするならほかにどのようなアイデアが出てくるのか楽しく生き生きと語ってくれるものです。

人は気持ちに道徳的な仮面をつけたり、社会正義的な仮面をつけたりすることが多々あります。
そうすることで、無意識的に他者からの評価が得られることを実感しているからです。

他者からの承認を得たいという働きかけにより、「~のために」という仮面をつけてしまうものなのです。

もしあなたが「~のために」何かをしようと考えられたのであれば、本当はこれを通して何を得体のだろう?と考えて見てください。

潜在意識は質問をすることで、自分の本当の感情を知らせてくれるものです。

7.無限の豊かさは自分にある

同じものをあいてにしていても、ある人は一つか二つくらいのことしか、そこから汲み出すことができない。
このことはふつう、能力の差だと思われている。

しかし実は人は、そのものから何かを汲み出しているのではなく、自分の中から汲み出しているのだ。
その物に触発されて、自分の中で応じるものを自分で見出しているのだ。

つまり、豊かな物を探すことではなく、自分を豊かにすること。
これこそが自分の能力を高める最高の方法であり、人生を豊かに生きていくことなのだ。

「悦ばしき知識」

私たちコーチが指針として掲げていることです。

私たちコーチは人はもともと想像力と才知にあふれ、欠けるところのない存在であると考えています。
だからこそ、その人の中にある無限の可能性を心から信じ、応援していくことができるのです。
しかも、すべての人がみなヒーローであり、ヒロインなのですからこれほど楽しいことはありません。

にもかかわらず、自分の能力を過小評価している人が多いのも事実です。

自分の中には無限の才能があると自覚するだけで世界は大きく変わってくるものです。

自分の中の無限の可能性を是非とも信頼してあげて下さい。必ず期待に応えてくれるはずです。

8.朝起きたら考えること

一日をよいスタートで始めたいと思うなら、目覚めた時に、この一日のあいだに少なくとも一人の人に、少なくとも一つの喜びを与えてあげられないだろうかと思案することだ。

その喜びは、ささやかなものでもかまわない。
そうして、なんとかこの考えが実現するように努めて一日を送ることだ。

この習慣を多くの人が身に付ければ、自分だけが得をしたいという祈りよりも、ずっと早く世の中を変えていくことだろう。

「人間的な、あまりに人間的な」

この考え方もアドラー心理学の他者貢献につうじますね。
ニーチェの言葉には人が本当にしあわせになるためのすべての叡智が詰まっているように感じます。

人をしあわせにしてあげられることが何よりも自分のしあわせに通じていくことをニーチェは100年以上前から知っていたということですね。

ここでひとつ、他者貢献に対してお伝えさせていただきます。あくまでも見返りをもとめないのが他者貢献です。
他者からの見返りありきで他者に貢献しても自分をしあわせにすることは出来ません。

他者に貢献できたというあたたかい気持ちこそ他者貢献の本質だからです。

9.楽しんで学ぶ

たとえば、外国語を学んでまだ少ししか話せない人は、すでに外国語に通じて流暢な人よりも、外国語を話す機会をとてもうれしがるものだ。

こういうふうに楽しみというものは、いつも半可通の人の手にある。
外国語に限らず、やり始めた趣味は、いつも楽しくて仕方がないものだ。

けれども、そうであるからこそ、人は学ぶことができる。
つまり、大人であっても、遊ぶ楽しさを通じて何かの達人になっていくのだ。

「人間的な、あまりに人間的な」

私にとってはコーチングがまさしくこの感覚でした。
楽しくて仕方がないからいつの間にか知識や経験が増えていったということです。
ブログの記事を書くのも同じ理由ですね。

楽しいことはやっているだけでストレスの解消になり、且つスキルが上達するのですから。
楽しいことを仕事に出来たら毎日がしあわせで充実した日になるということですね。

「今取り組んでいる対象に100%の心理的エネルギーを注いでいる状態」をフロー体験と言います。
楽しいことをしている時はフロー体験を経験出来るのです。

10.人を喜ばせると自分も喜べる

誰かを喜ばせることは、自分をも喜びでいっぱいにする。

どんなに小さな事柄でも人を喜ばせることができると、私たちの両手もここをも喜びでいっぱいになるのだ。

「曙光」

こちらも共同体感覚ですね。
人を喜ばせることがしあわせな心を育むなによりもの近道だということですね。

私もブログを書く最も大きな理由のひとつとして掲げています。
記事を書くことでたとえ一人でも喜んでくれることを考えるだけで気持ちが満たされてくるものです。

ブログを書くことで共同体感覚を感じることができるので、記事を書くほど心が充実していきます。

人を喜ばせることは、人によってさまざまでしょう。

あなたも自分自身に出来ることを見つけて一歩踏み出されてみてはいかがでしょうか。

きっと、ストレスから解放されて心がしあわせで溢れてくるはずです。

11.心にはいつも喜びを

利口であれ。そして、心に喜びを抱け。

できるならば、賢明でもあれ。

そして心には、いつも喜びを抱いているように。

これが人生で最もたいせつなことなのだから

「漂泊者とその影」

心にはいつも喜びを。

とはいえ、ニーチェの言葉のように実際に希望で満ち溢れている人は多くありません。

理由は、原因論で人生を考えている人が多いからだと言えます。

「もっといいうちに生まれていれば幸せになれたのに」

「もっといい大学に入っていれば幸せになれたのに」

「もっと容姿がよければ・・・」etc

このような原因論で人生を捉えている限り心からのしあわせを感じることは出来ません。

なぜなら、今の自分では満足できないという思考があるからです。自己受容が出来ていないため、自分自身を受け入れることが出来ないのです。

人間は過去に戻って事実をとりのぞことは出来ません。
原因論で考えることは人生を難しくするだけで精神衛生的によくありません。

過去のとらえ方を変えて未来志向で考える目的論こそが人間の心を喜びで満たしてくれる考え方になります。

心にいつも喜びをもつのなら、変えられない過去に意識を置くのではなく、変えられる未来に目をやるべきです。

コーチングを受けることで人が心からのしあわせを手に入れる最大の理由は、コーチが目的論でクライアントに接しているからです。

無限の可能性を秘めたクライアントの未来は無限に明るいのだとコーチが信じているからクライアントも自分の可能性の大きさに気が付いていきます。

自分の可能性の大きさを知ることで心がいつも喜びに満たされるのです。

12.この瞬間を楽しもう

楽しまないというのはよくないことだ。つらいことからいったん目をそむけてでも、今をちゃんと楽しむべきだ。

たとえば、家庭の中に楽しまない人がたった一人いるだけで、誰かが鬱々としているだけで、家庭はどんよりと暗く不快な場所になってしまう。
もちろん、グループや組織においても同じようになるものだ。

できるだけ幸福に生きよう。
そのためにも、とりあえず今は楽しもう。素直に笑い、この瞬間を全身で楽しんでおこう。

「悦ばしき知識」

アドラー心理学でも同様の事を伝えています。
未来や過去よりももっとも重要なのは「今ここ」であると。

アドラーは様々な理由をつくっては今やるべきことから逃げている状態を人生の嘘と言っています。

過去の原因にしがみつき今やるべきことから逃げていては未来は一向に変わらないのだと伝えています。

いまを全力で生きるという事は今を楽しむことと同義です。
今やるべきことをやらなければ未来は変えられません。
逆に今を全力で生きれば未来は変わるものだと伝えています。

人生の嘘をつきとおし、自分の人生を虚飾で塗り固めていては生涯しあわせをつかむことは出来ません。

アドラー心理学では過去と他人は変えることは出来ないが、自分と未来は今ここから変えることができると伝えています。

しあわせになるという気持ちさえあれば、いまこの瞬間から人生を変えていくことができるのです。

まとめ

私は心理学や潜在意識については昔からなによりも好きだったので、いろいろと勉強していました。
しかし、哲学と聞くと堅苦しい印象があり、まったく向き合ってきませんでした。

この間、たまたま書店で超訳ニーチェの言葉という書籍が書店にあり、偶然それがうちの本棚にもあったもので読んでみたのです。

まさに意味のある偶然の一致であるシンクロニシティがおきた瞬間でした。

これを読むと、アドラー心理学やコーチングと考え方や思想が面白いくらい似ていて興奮を覚えてきました。
生まれも育ちも違うのになんでこんなに思想が似ているのだろうと。

そして、たまたま書店で見かけた本がたまたま本棚にあったことを考えると、やっぱり不思議な気持ちに襲われます。

今のタイミングで偶然出会ったということは将来的に大きな意味があるのだろうと思ったもので、このタイミングで記事にしてみました。

まだまだアドラー心理学やコーチングと通ずるニーチェの言葉は山ほどあるので今後の記事でもニーチェの言葉をどんどん伝えていければと思います。

アドラー心理学やニーチェの言葉を知らない人が聞いたら、考えすぎていた心がとても軽くなってくるのではないでしょうか。

ストレスを抱え込みすぎて心が悲鳴をあげてしまった時には、アドラー心理学やニーチェの言葉を思い出してみて下さい。

参考文献

超訳ニーチェの言葉 フリードリヒ・ニーチェ ディスカバー

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