聴き上手の専門家!プロのコーチが伝える傾聴力の高め方

あなたは自分の話を心の底から聴いてもらった経験をお持ちでしょうか?

ただただ、耳を傾け、身体を傾け、心を傾け、あなたの話に評価・判断交えることなく、あなたと同じ視線に立って、あなたの話を聴いてもらったとしたらどんな気持ちになるでしょう?

傾聴とはこのように、全身全霊をかけて相手の話を聴くコミュニケーション方法です。

人は深いレベルで傾聴をされると自らの深層心理に触れて行きます。その過程で、自分自身の本質的な変化と向き合う事が出来てきます。傾聴力を高めると、話を聴いているだけで、相手の魅力が大きく花開いて来るのです。

また、相手は話しているだけで充実感に満たされ、気力がみなぎって来ます。僕は傾聴の持つ可能性に惹かれ傾聴家と名乗っています。

今回の記事では僕自身の経験をもとに、傾聴力を身に着けるために必要な事を書いて行きます。

Ⅰ.傾聴力とは?

傾聴

実は知らない傾聴の本質・効果・スキルUP法 〜傾聴チェックLISTプレゼント!〜より引用

上記の図をご覧ください。傾聴の深さの段階が表されています。体感的にまさにこの通りです。ただ、傾聴には第5段階もあります。

第5段階とは話し手も聴き手も同じ世界を共有し、その世界をリアリティをもって探索する事が出来るのです。

この章では第5段階まで傾聴を深めていく方法をお伝えさせて頂きます。

第1段階 テクニック

テクニック

僕たちプロのコーチでも傾聴をする時にテクニックを使います。ただし、テクニックを重視はしていません。あくまで、相手がより心地よく話をすることが出来る下地づくりをしていく事を心掛けています。

1.相手に全開の好奇心を向ける

kazu

テクニックは重視していませんと先ほど書きましたが、相手に全開の好奇心を向けることだけは傾聴をする上でなによりも重要だと考えています。テクニックというよりも傾聴時の心のあり方といった方がいいかも知れません。

傾聴に慣れていない人は相手の話を聴こうと意識をしても、自分の思考ばかりに囚われてしまいます。「こういうこと教えてあげたいな」「自分だったらこうするのにな」「こんなことも知らないんだ」などなど。

このような状況になってしまうのは全開の好奇心が相手に向かっていないからです。

とはいえ、どのように好奇心を向けたらよいかが分からないと向けようもありませんよね。コーチングの世界ではいろいろな方法があるので一例をお伝えしますね。

  • 相手にスポットライトを当てるイメージを持つ
  • 心の中で相手に両手をまっすぐ伸ばす
  • 相手が生まれた時から墓場に入るまでを想像する
  • 相手が歴史上の偉大な人だと思って接する

どれも相手に焦点を合わせるという意味では同じですよね。僕の場合は、傾聴になれるまでは、「心の中で相手に両手をまっすぐ伸ばす」を意識していました。

傾聴力は筋力と同じで使う程、発達して行きます。僕自身、傾聴力が身についてからはこのテクニックを使わなくても自然と傾聴が出来るようになってきました。あなたも傾聴力が身につくまで試して見てはいかがでしょうか?

2.相手の状態を口に出して伝える

状態

コーチングでは相手の状態を口に出して伝えることを、相手の状態を反映する事から反映のスキルと呼んでいます。

「今急にテンションが上がって来ましたね」

「なんだか落ち着いてきましたね」

「すっごく楽しそうですね」など

相手から発せられる状態をただ口に出して伝えてあげる事は僕たちコーチにとって基本中の基本です。相手の状態を伝えてあげる事で、相手は自分自身が気づかなかった意識の変化に気付き始めるのです。

ジョハリの窓

ジョハリの窓と呼ばれる心理学モデルがあります。

  1. 自分自身も知っていて、他人も知っている開放の窓
  2. 自分は知っているけれども、他人は気づいていない秘密の窓
  3. 他人は知っているけれども、自分では気づいていない盲点の窓
  4. 自分も他人も気づいていない未知の窓

僕たちコーチは「他人は知っているけれども、自分では気づいていない盲点の窓」を反映を通して伝えているのです。

盲点の窓に気付くことで人は、より深く自分自身を洞察する事が出来ます。傾聴力は黙って話を聴くだけでは身に付きません。積極的に相手に気付きをもたらすかかわり方をして行く事が求められてきます。

3.バックトラッキング

バックトラッキング

バックトラッキングとは相手の言葉をそのまま言い返す方法です。人は自分と同じ意見を持つ人や、同じ発言をする人に信頼感を感じます。そのため、バックトラッキングは効果的に使うと相手と信頼関係を強固にするのに役立つテクニックです。

相手「昨日、映画を見に行ってさー」

あなた「昨日、映画を見に行ったんだー」など

このスキルは使いすぎには注意が必要です。同じ話をずっと繰り返されていては、相手はバカにされているように感じるからです。僕自身、傾聴を勉強している人と話をするとバックトラッキングを繰り返されて苦しいなーと思ったりもしますしね。

通常の相槌の中にたまに紛れ込ませるくらいの頻度で使うといいでしょう。

第2段階 共通認識

共通認識

第2段階では相手と共通の認識を持つための方法です。第1段階で相手との距離感は大分縮まるはずです。第2段階では傾聴の必須項目である問いを投げかける段階に入って行きす。相手に質問をすることで、相手との共通認識を広げて行きます。

1.拡大質問

拡大質問

拡大質問とは話を広げて行く質問です。

「あなたはどう思ったんですか?」

「あなたは何を感じたんですか?」

「あなたはどのように仕事と向き合っていきたいんですか?」など

相手の視点に立った質問をすることで、相手はとても気楽に話をし続ける事が出来ます。拡大質問にはコツがあります。それは「あなたが」を主語にして聴くという事です。ユア・クエスチョンとも呼ばれています。

日本語では主語を発しない事も多いので、毎回「あなたが」と会話に入れるのは不自然かもしれませんが、拡大質問に慣れるまでは「あなたが」もしくは相手の名前を会話の主語として入れて見る事をおすすめします。

「これについてどう思う?」

「明日はどんな天気になるかな?」

「あの部長ってどんな人なんだろう?」

といった、主語が相手に向かっていない質問では、相手と共通認識を作る事が出来ません。あくまで、相手が見ている状況を聴いて行く事で、初めて相手の世界を知る事が出来ます。相手の世界を知る事こそが傾聴をする上でとても大切な事なのです。

人は自分の話を聴いてくれる人にこそ安心感を持って話をする事が出来るからです。

第3段階 心を開いてくれる

心を開く

第3段階までで相手の緊張感は相当ほぐれているはずです。相手の緊張感がほぐれるほど傾聴はしやすくなります。より、傾聴力に磨きをかけるにはこの第3段階で深く相手と繋がって行く事が必要です。そのための方法をお伝えします。

1.ミラーリング

鏡

ミラーリングとは相手の動きを鏡に映ったようにトレースする事を指します。人は無意識的に自分と似た行動を取る人に共感を持ちます。ミラーリングは相手と同じ動きを意識的に繰り返す事でより相手の話に意識を向ける働きもあります。

世界NO1コーチとの呼び声が高いアンソニー・ロビンズもコーチングではミラーリングを多用していると著書で書いてありました。ただし、ミラーリングはバックトラッキングと同じく、やり過ぎには注意が必要です。相手が意識しない範囲で相手の行動をトレースする事がミラーリングのコツとなります。

2.ペーシング

ペーシング

ペーシングとはその名の通り、相手のペースに合わせて行くという手法です。呼吸のペースや話すペース、間の取り方から動作のペース。相手のペースに自分のペースを合わせて行きます。この手法もミラーリングと同様に自分と似た行動をとる人に共感を持つという人の心理に即している方法です。

相手に焦点をしっかりと合わせているとペーシングは無意識に出来るようになってきます。より深いレベルで傾聴して行くには相手との呼吸がしっかりとあっている事が大前提です。

3.リーディング

リーディング

ミラーリングやペーシングは相手の動きをトレースしたり、相手のペースに合わせる方法でした。一方、リーディングは聴き手がリードして行くという方法です。

ミラーリングやペーシングでしっかりと相手と信頼関係が構築されていれば、まるでダンスのパートナーのようにこちらがリードをしようとすると無意識的に反応を合わせてくれます。

例えば、敢えて話すペースを落としたとしたら、相手も話すペースを落としてくれたり、身振り手振りを大きくしたら相手も同様のしぐさを取ったりといった感じにです。

信頼関係が強固に構築されると人は無意識的に相手と行動を同じくするのです。この状態になると、より深く相手の話を傾聴していく事が出来ます。なぜなら、相手は信頼している相手に対し、より自分の深い部分を話してもいいという気持ちになるからです。

第4段階 相手の世界を感じる

世界を感じる

第4段階では相手の世界を感じる状態に入って行きます。この状態では話の事柄ではなく、相手の話をしている世界に自らが足を踏み入れたような状態になって行きます。相手のイメージの世界を案内してもらっているような状態です。

1.感情の共有

感情の共有

相手が情熱的に話をしているなら聴き手も同様に情熱的に、相手が悲しんでいたら聴き手も相手と同様に悲しみに共感し、相手が楽しんでいたら聴き手も楽しむといったように相手の感情を共有します。

第3段階で相手とうまく信頼関係が構築されていれば、感情の共有は自然と行っている事でしょう。傾聴力を磨くには相手の感情に共感する事が必須です。

相手が悲しんでいるのに聴き手が笑っているような状態では話をしようという気にはならないのは当然ですよね。聴き手が相手と同じベクトルで感情を共感する事は聴く技術よりもよっぽど大切だと言えるでしょう。

2.相手のあり方を認めて伝える

あり方

相手のあり方を認めて伝えることを、コーチングでは認知のスキルと呼んでいます。相手のあり方を認めて伝えてあげるのは慣れないとなかなか難しいものです。いくつか例を見て行きましょう。

「いつも夜遅くまで残ってるよね。本当に努力家だよね。」

「ずっとぶれずに初心を貫徹してるよね。まさに信念の人だよね。」

「真っ先に人のことを考えてくれるよね。やさしさがにじみ出てるよ。」

このように、その人の内面の輝いている部分を言葉に出して伝えてあげる事が認知のスキルです。第4段階になると話し手は自分の価値観など、より深い部分を話しているので、その価値観の部分を認知して行くとより相手の話は広がって行きます。

認知のスキルは心の底から感じた事でなければ相手に伝わりません。口先だけで相手を認めてもまったく意味を成しませんのでご注意下さい。

3.要約

要約

バックトラッキングは相手の話をそのままオウム返しする方法でしたが、要約は一段階上の技術になります。相手の話をかみ砕いて、自分の解釈を相手に伝える方法だからです。

ただし、この要約はバックトラッキングのように回数に制限がありません。いつでも、相手の話を要約して伝え返すことが出来ます。また、相手の話がダラダラと続いてしまう時なども効果を発揮します。「要するにこういう事ですよね。」と相手に伝えることで、話し手の頭の中も整理されてくるからです。

傾聴をしながらも、話の要点は何か?を常に意識して行く事が求められるため、難易度はあがりますが、要約が出来ると傾聴力は飛躍的に高まって行きます。要約のコツは、要は相手は何を自分に伝えたいのだろう?と意識して聴く癖をつける事です。

要するにこういう事を伝えたいんだと分かれば、それを相手に要点をまとめて伝えるだけでかまいません。

第5段階 同じ世界を共有する

共有

傾聴の最終段階です。僕はこの第5段階こそ傾聴の醍醐味だと思っていますし、最高に楽しい段階だと感じています。コーチになって第5段階をしってから、聴くことの本質的な大切さを理解出来ました。人は傾聴される事で大きく変わって行きます。その理由は第5段階が深層心理にダイレクトに働きかけるからです。

1.キーワードを広げる

キーワード

同じ世界を共有するためには、相手の世界観を広げていく事がなによりも求められます。相手の世界を広げるとはどういうことでしょうか?それは相手の話からキーワードを拾って行く事から始まります。

では、傾聴力を発揮したコーチングの一例を見て行きましょう。

「なんか最近すっごくわくわくしてるんだよね。」

「何にわくわくしてるの?」

「ほら、ずっと迷っていた独立を最近したじゃない。独立してからとんとん拍子にすすんじゃって大口の契約が2件も簡単に取れちゃったんだよね。」

「今ってどんな感じなの?」

「天にも昇るような感じだよ。」

「その天ってどのくらい広いんだろう?」

「もう果てが見えないよね。無限に続くような感じ。」

「周囲にはどんな光景が見えるの?」

「下の方には雲があってどんどん天空を目指してる感じ。空は晴れているんだけど、空気が澄んでいるから星空が見えていて。」

「どこを目指してるのかな?」

「もっともっと大空高くかなー。」

「この状態で仕事を続けられたらどんな未来になりそう?」

「そりゃー。大きく飛躍するよね。そして、もっともっと沢山の人に貢献して行きたいなって思えて来たよ。今まではまだ独立したてだからという理由で先のことは考えてなかったけど、多くの人に貢献したいって気持ちはずっと持ってたんだなーって気付けたよ」

「どのように多くの人に貢献して行きたい?」

つづく・・・

このコーチングで広げたキーワードは何だったでしょうか?

答えは「天にも昇るような感じだよ。」でした。

このキーワードを広げる事でコーチはその人と同じ世界を体感する事が出来たのです。傾聴では比喩を重視しています。比喩の中にはその人の感情がとても詰まっている事が多いからです。

比喩を見つけたら、その比喩をどんな風に感じているのか?考えているのか?という部分で掘り下げていくと、今回の例のように、その人の深層心理の声を聴いて行く事が出来るのです。

まるで映画の中にそのまま入ったような気分になります。まさにバーチャルリアリティです。視覚も聴覚も体感覚も全てが現実的でまるで二人でその世界を旅しているようなそんな感覚に陥ります。

傾聴をしていてとても楽しさを感じるのがこの第5段階です。

2.話を俯瞰して聴いてみる

俯瞰

話を俯瞰して聴くことも相手と同じ世界を共有するのにとても役立ちます。例えば、仕事に行き詰っている人の話を傾聴する所を想像してみて下さい。

「上空1000メートルから仕事を見たらどんな感じになると思う?」

「人生で最高の瞬間から今の仕事を見たらどう映るかな?」

「人生最後の瞬間から今の仕事を眺めるとどんな気付きがありそう?」

仕事に行き詰っているという苦しさに凝り固まっている人は、その視点以外で仕事を見る事が出来ない状態に陥っています。それを、俯瞰した質問を相手にする事で凝り固まった視点以外の状態から眺める効果は計り知れません。

このような質問も相手と自分の世界を共有する上で必要となって来ます。傾聴力を磨くには質問の質を高めていく事も重要な要素のひとつです。

Ⅱ.傾聴する事の6つのメリット

メリット

この章では聴き手が傾聴をする事で得られるメリットについて書いて行きます。聴くという行為は受動的で相手にばかりメリットがあるように感じている人が多いのですが、実際は聴き手にも数多くのメリットがあります。

1.信頼関係が生まれる

信頼関係

自分の話を真剣に聴いてもらう経験を持っている人は多くはありません。「だったらこうしたほうがいいよ」というアドバイスや、「そんなことをしてもキャリアに傷がつくだけじゃない?」といった評価判断など、求めてはいないのに話を切り出される始末に辟易とする事のほうが多いくらいです。

人はアドバイスや評価・判断を求めて話をしたい訳ではありません。自分の話に共感し、自分の気持ちに寄り添って聴いてもらいたいのです。自分と同じ光景を見て話を聴いてもらいたいのです。

傾聴力を身に着ける事で相手の話をアドバイスや評価・判断する事なく聴く事が出来るようになります。本当の意味で自分の話を聴いてくれる人がいると人はその人に対して信頼感をもって接してくれます。あなたが傾聴力を身に着ける事で多くの人と信頼関係が生まれるのは当然の事なのです。

2.相手が成長する

成長

傾聴力を身に着け、相手の話を傾聴する事が出来るようになると、話を聴いてもらっている相手が大きく変化して行きます。それは、自分の話を真剣に聴いてもらう事で、自分だけでは気付くことが出来なかった智慧を得ることが出来るからです。

あなたが真摯に耳を傾けて相手の話を聴いて行く過程で、相手はまるでさなぎから蝶に変容を遂げるように本質的な変化が引き起こされる事でしょう。相手に対して傾聴をし続けていく事で、相手は次第に大きく成長を遂げて行く事が出来るようになるのです。

当然、あなたの周囲の人たちがあなたと話をする事で成長するという事は、あなたが所属しているコミュニティがより高いレベルになるという事ですよね。あなたがいる事で周囲のレベルがどんどん上がり、結果的にあなた自身にも巡り巡って帰って来るのです。

3.自分も成長する

成長

傾聴のメリットは相手が成長するだけではありません。自分自身も相手の話からインスピレーションを受けて大きく成長して行く事が出来るのです。また、相手の持っている経験や、知識を話を聴く事で体感させてもらえるのも自身の成長に繋がります。

傾聴力を磨くという事は、深くその人の人生全体を聴く力が身につくという事です。ひとりひとりの人生はどんな書物を読みふけるよりも厚みがあるものです。きちんと傾聴を実践する事で話し手から得られるギフトは計り知れません。

傾聴力を磨き続ける事は、人間力を磨き続ける事と同義なのです。

4.会話を組み立てる事が出来る

組み立てる

実は、話し手よりも聴き手の方が会話をリードして組み立てる事が出来るのです。よく、聴き手は受動的でつまらないという印象を持っている人もいらっしゃいますが、まったく違います。どちらかというと、傾聴力を身に着けている人は能動的な聴き方をするため、会話を自在に成り立たせる事が出来るのです。

また、とりとめのない話や、延々とループしてしまっている話が会話相手から続けられる時は、話を中断して会話を本筋に戻して行く事も必要とされます。このようなスキルをコーチングでは中断のスキルと呼んでいます。

「(延々とループしている話に対して)」

「ちょっといいかな?この話の要点は何かな?」

このように相手の話を中断しつつも、そこで会話を終わらせず、方向転換した会話の主導権を相手に持たせる事で、会話は聴き手の意図した方向に流れて行きます。

会話の運転手は相手でも、その会話を制御する制御室は聴き手の役割なのです。

中断のスキルからの拡大質問のスキルを身に着けると、会話を自由自在に組み立てる事が出来るのです。

5.話下手でも会話が途切れない

途切れない会話

どんな話でも楽しく面白く話せる人が世の中にはいるものです。でも、そのような話力を持っている人は多くはありませんよね。かくいう僕も話力は高くありません。傾聴力を身に着ける前までは、人と話をしていて会話が途切れた時の沈黙が苦痛で仕方がなかった程です。

しかし、傾聴力を身に着けてからは人と会話が途切れる事がなくなりました。なぜなら、相手に焦点を合わせて傾聴をしているからです。人は自分の話を聴いてもらえる時が最も楽しく心が響く時間だという事に気付いたのです。それからは、自分の話はほどほどに傾聴していく事を心掛けています。

そうなると、会話が途切れる事もなくなりました。

6.なによりも楽しい

楽しい

ここまでメリットをいろいろと書いてきましたが、なによりものメリットは傾聴をしている時が楽しいという事でしょうね。相手の世界観に触れ、相手のイメージの世界を共有できる体験は何よりも楽しいものです。まるで、映画の中を二人で探索しているようなそんな面白さがあります。

しかも、脚本は二人で創り上げて行くという感じなのですから、楽しくないわけがありません。第5段階までの傾聴を身に着けると、話の聴き方の奥深さにきっと驚かれる事でしょう。

Ⅲ.傾聴時6つの注意点

注意点

この章では傾聴時に陥ってしまう、注意点をお伝えさせて頂きます。自分自身では傾聴だと思っているにも関わらず、相手が不快な思いをしてしまうには理由があります。それは、今から紹介する地雷を踏んでいるからだと言えます。

1.アドバイス

アドバイス

傾聴時に最も注意を払う部分のひとつにアドバイスをしないが挙げられます。人の話を聴いていると、その人の役に立ちたいという思いが芽生えてくるのは当然です。しかし、相手がアドバイスを求めて来るのでない限り、アドバイスはしないに越したことはありません。

特に男性は論理的に考えアドバイスを多用してしまうという傾向があります。傾聴時はただただ話を聴く事に徹して自分の意見は伝えないように注意をしましょう。

アドバイスをするというのは相手にではなく、自分に好奇心が向かっている状態です。「この人を助けてあげよう」などという心の声に意識が向かっているのです。アドバイスをするという事は要は相手の話に意識が向かっていない証拠でもあります。

相手は話を聴いてもらえていないんだなと判断して話を止めてしまうでしょう。当然、相手との信頼関係は崩れ去ってしまいます。

2.評価・判断

評価・判断

評価・判断も傾聴時には無用の長物です。この人はこういう人だからと自分が相手に対して張ったレッテルに囚われて相手を評価・判断していては、相手の心の声を聴いて行く傾聴など出来るはずもありません。

傾聴で大切なのは、目の前の相手を評価・判断なく受け入れ、その上で、話を聴いて行く事です。例えば、「この人は自分勝手な人だ」というレッテルを張っている人の話を聴いた場合、例えその人が本心から人のために役立ちたいと話をしたとしても聴く耳を持つ事など出来ません。

僕たちコーチは話を聴く時は、誰にに対しても評価・判断しないように心掛けています。

3.自分の世界に引き込む

自分の世界

第Ⅰ章にて傾聴力の第5段階では相手のキーワードを広げるという事をお伝えしましたね。キーワードを広げる事で相手の世界と自分が見ている世界が一体化し共有する事が出来るのです。一方、自分の世界観を相手に押し付けてしまうのは傾聴ではありません。

先ほどの例をもとに見て行きましょう。

「なんか最近すっごくわくわくしてるんだよね。」

「何にわくわくしてるの?」

「ほら、ずっと迷っていた独立を最近したじゃない。独立してからとんとん拍子にすすんじゃって大口の契約が2件も簡単に取れちゃったんだよね。」

「なんか新幹線に乗ってる感じだね。その新幹線の時速って300キロくらいかな?」

「はぁ・・・(何言ってんだ?こいつ。)」

先ほどの例では広がった会話も、今回の例では鎮火させられてしまったような感じではありませんか?

では、何が行けなかったのか?それは勝手に自分の世界観に相手を引きずり込んでいる部分です。これはコーチングの勉強をしている人でも陥ってしまう事がある例です。

聴き手のイメージは新幹線に乗っているイメージだったのかも知れませんが、それを相手にも強要している質問がいただけません。

まさに「はぁ?」って感じですよね。

第5段階の時の例では相手が「天にも昇るような感じだよ」と伝えてくれた事で、そのキーワードを広げて行く事が出来ました。

今回は勝手に自分の判断を押し付けているのですがら、会話が広がるはずもありません。

イメージの世界を広げるのは傾聴にとってとても大切な事ですが、それはあくまで相手の世界を広げるという事です。自分の世界の押し付けは会話を広げるどころか終わらせてしまいます。

4.相手の可能性を信じない

可能性

僕たちプロのコーチが信念として持っている考え方があります。それは人には無限の可能性があるという事です。だからこそ、プロのコーチに話を聴いてもらうと、自らに無限の可能性があるという事に気が付く事が出来るため、気持ちが充実感や躍動感でみなぎって来るのです。

例え、どんなに傾聴のテクニックに磨きをかけても、心のあり方が備わっていなければ傾聴力を身に着けるという事は不可能です。目の前の相手の可能性を本気で信じて関わる姿勢こそ傾聴する人に求められる心のあり方だと言えます。

5.着地点を決める

着地点

話の着地点を予想して誘導して行く事は避けるべきです。プロのコーチになりたての人もはまってしまう程、着地点を決めずに話を聴き続ける事は難易度が高いです。話を聴いていると、相手の話から次はこうなるだろうなと予測をして、その予測をもとに話を引き出してしまうと、会話に広がりが生まれません。

当然ですよね。聴き手が自分自身で会話の可能性を閉じてしまっているのですから。僕たちプロのコーチはシナリオを用意せずに、毎回、いまこの瞬間の話を聴き続けます。どうなるか予測をしない事で、この瞬間に生まれる会話のエネルギーを最高に広げていく事が出来るのです。

物語は聴きながらも今この瞬間から生まれてくるのです。生の物語を聴く事の方が自分が予測した物語よりもはるかにスリリングで躍動的です。予測をすると話のエネルギーを抑え込んでしまうと頭の片隅にでも入れておいて下さい。

6.相手の話を否定する

いかにそれまで傾聴が出来ていたとしても相手の話を否定してしまっては全てが水泡に帰してしまいます。それほど、否定の言葉は相手との信頼関係を打ち破る上で力強い言葉となるのです。

傾聴力を身に着けるには、相手と意見が違ったとしても、相手の中の価値観だと受け止め、相手を否定しないようにする事が求められます。とはいえ、相手と同じ価値観に無理やり合わせる必要はありません。自分にはそのような価値観はないことをただ事実として伝える事が重要です。

相手を否定はせず、かといって無理やり相手に合わせる事はしません。否定とは自分の意見や判断を相手に投げつける事から生じます。ただ、事実だけを伝えるのであれば、相手と軋轢が生じる事はありません。

あくまで、相手の価値観と自分の価値観は違うという事を認識しつつ、相手の価値観に好奇心を持って傾聴をして行く事が大切です。

Ⅳ.傾聴力を身に着けるには集中力が必要

集中力

この章では僕が傾聴力を磨き続ける上で行っている方法をお伝えして行きたいと思います。その方法とは瞑想です。傾聴力を伸ばすには並外れた集中力が必要となって来ます。プロのコーチは時として1日中人の話を傾聴し続ける事もあるほどです。その間にコーチが集中力を切らして傾聴を保てなくなってしまうようでは、コーチングの質を落としてしまいます。

その為、コーチとして集中力を磨く事を僕自身は選択しました。現在、朝と夜に1時間ずつの瞑想を1年間以上続けています。また、計12日間のリトリート中に1日10時間の瞑想を10日間誰とも話をせずに行うヴィパッサナー瞑想と呼ばれる合宿に3回も参加しています。

僕は無宗教者ですが、瞑想は自らの傾聴力を飛躍的に高める上でこの上なくぴったりと合っていたので現在でもやり続けています。

また、瞑想を行い続ける事で脳が発達される事が近年の研究で証明されてきています。詳しくは下記をご覧ください。

あなたはマインドフルネスとはどのようなものかご存知でしょうか?「最近よく話題になっているヨガとか瞑想のことでしょ?」といった理解ではありませんか?近いのですがちょっと違います。ヨガや瞑想はマインドフルネスという大枠の中にありますが、ヨガや瞑

瞑想をして脳が発達する事で、人をレッテルで評価・判断したり、自分の考えを押し付けるような思いやりのない行動も制御されて来ます。

瞑想を行い続ける事はコーチとして必要不可欠である傾聴力を身に着けるためにとても重要だと僕は考えています。日々、修行僧のように瞑想を繰り返す内にはっきりと、傾聴力が上がってきている実感があります。

あなたももし傾聴力を伸ばして行きたいとお考えであれば、一度瞑想を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

瞑想の効果や方法について詳しくは下記をご覧ください。

ビジョナリーマインドでは自己催眠の方法と効果について過去記事にて詳しく説明してきました。今回の記事では自己催眠同様に自らに画期的な変化をもたらす瞑想の効果についてお伝えさせていただきます。瞑想をお勧めする理由は、心身ともにリセットが出来る点

さいごに

リーダーミーティング0831-70

いかがでしたか?今回の記事では傾聴力を身に着けるためのスキルから入り、傾聴全般について僕がコーチとして理解している事をお伝えさせて頂きました。

傾聴力を身につけようという方は向上心に長けている人が多い印象があります。人間関係を円滑にするために傾聴を覚えようとするのですから当然と言えば当然ですよね。

しかし、だからこそ陥ってしまう事があるのです。

それこそが、スキルを身に着ける事ばかりに意識が言ってしまうという事です。そのため、今回はスキルよりも、傾聴時のあり方に重点を置いて記事を作成して行きました。

これは僕たちコーチにも言える事なのですが、スキルを学ぶとスキルのみに偏って知識を吸収してしまうものです。そうなると、最も大切な心のあり方に目を向けるスペースがなくなってしまいます。

極論、相手に興味も好奇心も向けずに、傾聴時のスキルだけ使っても何の意味も成しません。むしろ、相手を不快にさせてしまうだけです。

このように心のあり方が傾聴に伴っていないと、ただ知識を学んだだけの傾聴力のない人になってしまいます。

よって、僕は傾聴時のあり方を理解する事こそが、傾聴力を高める最善の道だと考えています。また、より傾聴力を伸ばすために瞑想を行う事はあり方も磨かれるため、おすすめしています。

傾聴力は身につければ一生ものの宝となります。折角、傾聴力を身に着けるのであれば、間違った方法ではなく、心のあり方から身に着ける事をしてみてはいかがでしょうか?

傾聴力を身に着けて、人の話を聴く奥の深さ、楽しさに触れたら、あなたもコーチングを学ばれてみる事をおすすめします。コミュニケーション能力は一度身に着けると生涯に渡って通用する費用対効果の高い投資です。

是非、あなたも傾聴力を身に着けてコミュニケーション能力の達人になって下さい。

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投稿者プロフィール

傾聴家 坪井一真
傾聴家 坪井一真
シードコミュニケーションズ株式会社代表取締役。大学卒業後にIT企業で人事を経験。以降、様々な経験を経てコーチとして独立。現在は未来創造コーチとして第一線で活躍中。
□米国CTI認定資格 Certified Professional Co-Active Coach(CPCC)
□国際コーチ連盟認定資格 Associate Certified Coach(ACC)
□その他 Co-Active Leadership Program

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コメント

  1. […] 聴き上手の専門家!プロのコーチが伝える傾聴力の高め方 […]

  2. […] 聴き上手の専門家!プロのコーチが伝える傾聴力の高め方   より具体的な傾聴力の高め方については上記の記事をご参照下さい。 傾聴力の磨き方のコツを分かりやすくお伝えしてお […]

    • 寺内みわ より:

      さすが傾聴家だなーと思って読みました。
      傾聴は大事と思いながらも、ついついアドバイスしたくなったり、次の質問を考えたりしてしまうので…
      相手の可能性を信じて、評価することなく、心できいていきたいなと思いました!
      勉強になりました。ありがとうございました。

      • 傾聴家 坪井一真 傾聴家 坪井一真 より:

        みわさん
        どうもありがとうございます。コーチとして傾聴とじっくり向き合って書いてみました。バランスコースでのコーチングのおかげです。コメント頂き感謝です。今後ともよろしくお願いします。

  3. […] 聴き上手の専門家!プロのコーチが伝える傾聴力の高め方 […]